制作会社に預けた「権限」、いざというとき動けますか? ─ ホームページの権限を自社に取り戻す

ホームページ運用の内製化を5つの軸(更新・権限・解析・原稿・改善判断)で整理すると、最も見落とされ、最も影響が大きいのが権限・アカウントです。この記事は、内製化を5つの軸で考えるのうち、「権限」だけを掘り下げます。

更新の遅さは“不便”、権限が外にあるのは“リスク”

更新が自社でできないのは、日々の不便です。一方、ドメインやサーバーの管理権限が外にあることは、事業継続の問題になります。ドメインの更新が止まれば、サイトもメールも落ちます。しかもこれは、平時には表面化しません。「制作会社が廃業した」「担当者と連絡が取れない」——そういう場面で初めて発覚することが少なくありません。だからこそ、内製化で最初に着手すべきは権限なのです。

権限が外にある=事業継続のリスク。
権限が外にある=事業継続のリスク。

権限には“段階”がある

「権限が自社にある/ない」の二択で考えると、次の一手が見えません。実際には次の3段階があります。

  1. 名義が制作会社/不明(どこにあるか分からない)
  2. 自社名義だがログインしたことがない(鍵はあるが開けたことがない)
  3. 自社名義でログインできる(いざというとき動ける)

今すぐ操作しないとしても、まずは②の状態——名義とログイン情報だけは自社に置く——を目指します。実務は今までどおり外注に任せたままで構いません。

権限の3段階。まず名義とログインを自社に。
権限の3段階。まず名義とログインを自社に。

まず確認するのは「1・4・7・10」の4つ

権限の所在を確かめるには、制作会社との引き継ぎ確認シート(14項目)が便利です。ただ、全部を一度に確認する必要はありません。まず次の4つ(項目1・4・7・10)だけ確認してください。

  • 1. ドメインの登録名義と管理アカウント
  • 4. サーバーの契約名義と管理画面
  • 7. CMS(WordPress等)の管理者アカウント
  • 10. アクセス解析・サーチコンソールの所有権

この4つが自社側にあれば、いざというときに動けます。そして「?(不明)」が1つでもあれば、そこが最優先の課題です。

14項目、まず1・4・7・10を確認。
14項目、まず1・4・7・10を確認。

項目ごとの“見るポイント”

確認するときは、次の点を見ます。

  • ドメイン:WHOISの登録者名義を確認。制作会社名義でも「移管」でなく「名義変更」で自社にできる場合があります。更新期限は必ず自社のカレンダーにも入れます。
  • サーバー:自社契約か、制作会社の契約への“相乗り”か。相乗りだと、制作会社を変えるとき必ず移転が発生します。
  • CMS権限:自社担当者が「管理者」か。「編集者」ではプラグインやテーマの状況を確認できません。
  • 解析:GA4・サーチコンソールの所有者が自社アカウントか。所有権が外にあると、契約終了で過去データごと失うことがあります。

取り戻すときの“言い方”

権限を戻すというと角が立ちそうですが、コツは言い方です。「引き上げる」ではなく「所在を明確にする」から始めます。名義を自社に変更し、ログイン情報を共有してもらうだけなら、運用を任せ続けることと矛盾しません。実務は今までどおり依頼したうえで、鍵だけ自社に置く。これが最も現実的な第一歩です。伝え方は「担当者交代に備えて社内の管理台帳を整備している」で、通常は角が立ちません。関係が良好なうちに確認するのが、最も摩擦がありません。

“引き上げる”でなく“所在を明確にする”。
“引き上げる”でなく“所在を明確にする”。

レベル別の“最初の一手”

現在地に応じて、着手はこう進めます。

  • レベル0(完全外注):ドメイン・サーバー・CMS・解析の4つについて、契約名義とログイン情報がどこにあるかを洗い出す。分からない項目があること自体が最初の課題です。
  • レベル1(部分依存):管理権限を自社名義に揃える。今すぐ操作しなくても、名義とログイン情報だけは自社に置いておきます。

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▷ 全体像は 内製化を5つの軸で考える をどうぞ。

投稿者プロフィール

頭領CEO 土開千昭

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